大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和39(あ)2374 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人岩村滝夫、同儀同保連名の上告趣意第一点のうち、違憲(二八条違反)を

いう点について。

使用者側との団体交渉の再開をはかるため、使用者側の者に対して暴行を加えた

り、使用者の器物を損壊したりする行為が、憲法二八条の保障する権利行使に該当

しないものであることは、当裁判所の判例(昭和二二年(れ)第三一九号同二四年

五月一八日大法廷判決、刑集三巻六号七七二頁、昭和二三年(れ)第一〇四九号同

二五年一一月一五日大法廷判決、刑集四巻一一号二二五七頁)の趣旨に照らして明

らかであるから、所論は採ることができない。

同第一点のうち、その余の主張について。

所論は、単なる法令違反および事実誤認の主張であつて、いずれも上告適法の理

由に当らない。なお、団体交渉権にもとづく行為についても、暴力行為等処罰ニ関

スル法律の適用があるものと解すべきであり(昭和二四年(れ)第八九八号同二九

年四月七日大法廷判決、刑集八巻四号四一五頁参照)、第一審判決判示のように、

約三〇分間にわたり、被告人ら十数名が共同して、判示A、B両名を取囲むように

し、その耳もとないし身辺近くにおいて、呼笛に調子を合わせながら、いつせいに、

「団交、開け」と怒号しつつ、土足のまま床または木製テーブル上で足踏みを続け、

両名をして肉体的、精神的に強い衝撃と著しい疲労を感ずるに至らせたときは、人

の身体に対し不法な攻撃を加えたものであり、また右足踏みによりテーブルの上板

の一部をはがしたときは、不法に器物を損壊したものであつて、暴力行為等処罰ニ

関スル法律一条一項にいう「刑法第二百八条、第二百六十一条」の罪を犯したもの

と解するのが相当である。

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同第二点について。

所論は、単なる訴訟法違反および事実誤認の主張であつて、いずれも上告適法の

理由に当らない。なお、証拠の取捨選択に関する原判断は相当であり、所論のよう

な違法不当は認められない。

また、記録を調べても刑訴法四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて、同四〇八条により、裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

昭和四〇年七月三〇日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 奧 野 健 一

裁判官 山 田 作 之 助

裁判官 城 戸 芳 彦

裁判官 石 田 和 外

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